3-1.感情

「私」という幻影を心のスクリーンへ映し出す手段を獲得し、人間は生き延びてきました。そして、その「私」なる幻影には感情というものがあります。

誰かを愛したり恨んだり、起こった出来事を喜んだり悲しんだり、複雑な精神活動の必ず感情が絡んでいます。

人間は感情の生き物であるといわれることがありますが、自己意識があるからこそ感情を持つことが可能となります。

人間以外の動物、たとえば身近にいる犬や猫も何かを食べたい、眠いなどの欲はあります。でもそれは、生存欲求に近いものであり、人間のような複雑で高度に発達した感情とは異なるものです。人間の感情は、社会生活と複雑に絡み合い、プライドを形成し、目標を成し遂げるための動機付けや行動力などにも作用します。

人間は感情により多様な選択を行い、行動するためのエネルギーを感情から得ることができます。

感情の隠された機能

そして、この感情こそが「私」を実在しているかのように信じ込ませる仕掛けなのです。

怒り、欲、悲しみ、喜びのすべてに感情が伴います。これらの感情は非常に強力な精神エネルギーであり、「私」の思考や行動を支えてくれるものです。

感情はパワーの源であり、行動力そのものと言ってもいいのかもしれません。そして、感情とは、「私」の存在を信じているがゆえに効力を発揮するのです。

喜怒哀楽がなければ、ほとんどの人は何も欲せず、競争に勝とうと思わず、誰かを恨むこともないでしょう。

心を内観する

もし、自分自身の心を深く内観する能力があれば、感情によるコントロールを認知することができるでしょう。瞑想に長けた人であれば、たとえば修行を積んだ僧侶なら、感情を切り離し、心を常に無風な状態に保つことが可能です。しかしいながら、多くの人々は感情に突き動かされた「私」が思考している、行動していると錯覚したまま生きているのです。

感情のちから

 感情は「私」を動かす原動力であるということを、プライドを例にとりお話ししましょう。

 自分は優れていると強く「私」に信じ込ませるのがプライドです。優れていることの根拠の有無は関係ありません。

「私」は優れている、他の人とは違うといったプライドを保つことで、自分の存在を周囲の人々にアピールします。他人より優位に立つために競争心を燃やし、ときには誰かをねじ伏せ、抑え込もうとするとき作用する感情です。プライドを慢心と呼ぶこともあります。

 まさに、唯一無二の「私」があってこその感情です。これと同じように、怒りも欲も、その他あらゆる感情は、「私」という自己意識があればこそ、生み出される精神パワーでしょう。

 快・不快といった精神活動の初期に現れる情動や、過去の記憶が絡み合い、感情に発展します。

このような感情は「私」を強調し、「私」が実在であるかのような刺激として作用しているのです。

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