FPVカメラの選び方【ドローン自作講座】

ドローンの機体に搭載するFPV用カメラについて教えてください。

FPV用のカメラはドローンの機体前方に設置し、飛行中の映像はFPVゴーグルに表示されるよ。

カメラからの映像はVTXにより無線で送信されるのでしたよね。

いいね、ちゃんと覚えていてくれたみたいだね。今回はドローンを自作する際の、FPV用カメラ選定ポイントについて説明させてもらうね。

FPVカメラの条件

FPV用カメラには、RunCamCaddxの製品がよく使われます。空を飛ぶドローンに搭載されますので、カメラは小型軽量ということが重要になります。また、映像が途絶えてしまうとドローンの飛行操作に支障が出てしまいますから、映した映像を低遅延でVTX側へ送る能力も大切です。
飛行中の明暗さにも追従できなければなりません。明るい屋外から建物内へ入り、明るさが変化しても照度の変化に対応できなければ画像が真っ黒になってしまいます。もしゴーグルに送られてきた映像が突然暗くなってしまえば操縦不能に陥ります。

<FPV用カメラの基本条件>
  • 小型軽量
  • 低遅延
  • 照度の変化に追従できる

カメラのサイズ

カメラを選択する際、サイズについても気にしなければなりません。ドローンは小さな機体に数多くのパーツが搭載されます。そのため、全体のバランスを考えつつ、うまく収まるようなサイズのカメラを選定しないと、取り付けることが出来なくなってしまします。

また、フレームへの固定方法も大切なチェックポイントです。カメラ側面には2つの取り付け穴があり、その間隔には28ミリ・21ミリ・19ミリ・14ミリなどがあります。カメラの筐体サイズに準して取付穴間隔は決まります。ドローンのフレームへしっかりと固定できるかどうか確認しましょう。

カメラ固定用ネジ穴の間隔には28ミリ・21ミリ・19ミリ・14ミリなどがある

VTX と一体型カメラもあります。画質は劣りますが機体にコンパクトに収まるため小型機への搭載に際しては候補に入れて検討するのもよいかと思われます。

イメージセンサー

FPVカメラにはCCDとCMOSという2種類のイメージセンサーがあります。イメージセンサーはレンズからの光を電気信号に変換する、例えていえば目の網膜のような役目を果たします。

CCDの方が画質は良いのですが、最近はCMOSも進歩していますので、飛行中の動画像をFPV画面で見る限りは大差がないかもしれません。FPVに映し出される画像は電波で送信されてくるため、画質が荒くなってしまいます。そのため、FPV用に限定して考えるのであれば、CCDでもCMOSでもどちらでも十分機能します。

ただし、カメラが映した画像を、電波送信の前段階でマイクロSDカードへ保存してくれるカメラもあります。画像が綺麗なので、あとからYouTubeに公開したい場合などに使えます。この場合はCCDの方が綺麗な動画を撮影することが出来ます。

イメージセンサーにはCCDとCMOSの2種類がある

CCDについて

CCDカメラは日没後や建物内などの暗い場所でも、CMOSに比べはっきりとした映像となります。また、CMOS に比べて機体振動の影響を受けづらいといった特徴もあります。CMOS に比べて劣る点としては、電力消費が大きいことがあげられます。

<CCDカメラの特徴>
  • 日没後や建物内などの暗い場所などの低い照度でもハッキリとした映像となる
  • 振動に強い
  • コントラストがはっきり出る
  • 自然な色合いの画像となる
  • CMOSより消費電力が大きい

CMOSについて

CMOSの特徴は低消費電力で安価なことが挙げられます。また、CMOS カメラの技術は急速に進歩しており、CCDカメラよりも優れたものが製品化されてきている傾向があります。したがってカメラ選定においては、さまざまな照明条件のもとでどのようなた画像を映し出すのかをYouTubeなどの動画サイトで確認することが有効といえるかもしれません。

<CMOSカメラの特徴>
  • 低消費電力
  • 安価
  • 画像がシャープ

アスペクト比

FPV用カメラの画像の縦横比には4対3と16対9の2種類があります。比率から推測できると思いますが4対3は四角い画像、16対9は横幅のある画像です。

  • 画像の縦横比には4:3と16:9がある
  • 4:3 は四角い画像、16:9は横長の画像
    CCD⇒4:3
    CMOS⇒16:9 or 4:3(CMOSの4:3は、16:9から横部分を切り取った映像)

どちらを選択するかについてですが、これは使用するFPV ゴーグルに合わせる事になります。例えばゴーグルが横長の16対9 の画面なのに、カメラから送られる映像が4対3だと間延びした映り方になってしまいます。逆のバターンだと圧縮された映像となります。

カメラのアスペクト比はFPV ゴーグルと同じ値にする

ビデオエンコード(NTSC/PAL)

NTSCはアメリカや日本、韓国で、PALはヨーロッパやオーストラリア、中国などで使用されているビデオフォーマットです。各域内で売られている家電製品がNTSC、またはPALということになりますがが、手持ちの家電製品との方式が合わないと再生できません。ただし、ビデオプレーヤで再生しない場合は特に気にする必要はありません。パソコンでの再生やYouTubeへの動画アップはどちらのエンコードでも可能です。

NTSCはフレームレートがPALよりも優れています。PALはNTSCに比べ解像度が優れています。従いまして、きれいな画像を求めるのであればPAL、滞りない動画映像を求めるのであればNTSCという違いになります。

<NTSC はフレームレートが高い>
  • PAL : 25fps
  • NTSC: 30fps
<PALは解像度が優れている>
  • PAL : 720×576
  • NTSC: 720×480

TVL

TVLとは水平方向の走査線数で、TVLの数値が高いほど高解像度の画像となります。600TVLから1200TVLが一般的なFPVカメラの走査線数です。ただし、動画画像は電波を通してドローンからFPV カメラへ送られるため、いろいろな箇所で解像度が低減されてしまいます。したがってTVL値が2倍になったからと言って、実際の画像が2倍鮮明になるとは限りません。カメラを選択する際の目安とはなりますが、多少の数値差をあまり気にすることもないと思われます。

TVL値が高いほど高解像度だが、ドローンでは数値差が実感しずらい

FOV

FVOは視野角の目安で、具体的には画像の対角線の長さを表します。FOVの数値が大きければ視野角が広くなります。

FOV値が大きいほど視野角が広がる

WDR(Wide Dynamic Range)

WDRは広い視野のなかで発生する明暗差を補正してくれる機能です。ドローンのFPVでは、広く大きな空から大地を俯瞰するような映像が多くなると思います。こうした環境においては、近くと遠くのものとで光の加減が異なり、一方に合わせると、他の部分が不鮮明になってしまいます。ドローンの飛行中に、不鮮明箇所がFPV ゴーグルに映し出されてしまうと操作に支障が出てしまいます。

このような不具合に対応するのがWDRであり、全視野にわたり鮮明な画像を表示させることが可能となります。

  • WDRは明暗差を補正する機能
  • WDRにより全視野にわたり鮮明な映像を表示可能

LUX

殆ど必要がないかもしれませんが夜間など暗い中で飛行させるような目的があれば、カメラのLUX値も気にした方がいいかもしれません。LUX値が低いほど暗い中での飛行に適します。参考までに夜間飛行の目安は0.0001程度です。

OSD

カメラの仕様を見るとOSD内蔵と書かれている製品があります。OSDといった場合、フライトコントローラーに内蔵され、バッテリー残量や飛行時間などをFPV画面に表示させてくれるものをイメージされるかたもいるかと思います。しかしながら、カメラのOSDは、そのカメラを設定するための機能となります。勘違しやすい部分ですのでご注意ください。

OSD機能付きのカメラはFPV画面にカメラの設定項目を表示させ、送信機のスティックで変更操作を行うことができます。

ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!

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