7-1.カルマの忘却

苦しみの根源は感情にあり、感情に伴い発生する観念が苦しみをもたらします。そして、感情や観念を具現化するのは「私」という虚像です。

感情は怒りや憂い、恐れ、悲しみ、迷いなどの煩悩に分類されます。そして、煩悩やそれに伴い発生する観念、観念に誘発される思考や行動は、それらが繰り返される度に、または強く発生するたびに、記憶というカルマに蓄積され続けます。

「私」を正当化するがゆえに見えていない、ヘドロのように沈殿したカルマが人の心を支配しています。

心の浄化

カルマを掃除しなければ苦悩は死ぬまで離れてくれません。カルマさえ浄化することが出来れば、人生はとても楽になります。

生まれてから現在に至るまでの間、重く深く積み重なったカルマを少しずつ減らすことが、苦しみの解消、心の浄化へとつながります。

では、カルマを減らし、心を浄化するためには、どのような心掛けが必要になるのでしょうか。

仕組みを理解する

カルマを減らすためには、これまでの記事で説明してきた”苦しみの仕組み”を理解することが大切です。そもそもの仕組みが分からなければ、なぜ苦しいのか、どうすればそこから解放されるのか、見当もつかないでしょう。

なぜ心が苦しいのかを理解することで心が楽になります。でも、仕組みさえわかってくれば、苦しみを無くすための答えも自ずと見えてきます。

カルマをためない

苦しみの根源であるカルマは、脳に刻まれた記憶です。だから、きれいさっぱりと消えて無くなることはありません。

でも、心に積もったカルマを少しずつ薄めることができれば、苦しみの発生頻度が減少します。

そのためには、何よりも悪業となるカルマを溜めないことを心がけましょう。カルマを新たに溜めなければ、古い記憶は次第に忘却の彼方へと追いやられます。

記憶とは繰り返さない限り、だんだんと薄れていくものだからです。

例えば、怒らないことが重要

悪いカルマを溜めないためには、行動や思考から逆算して煩悩の発生頻度を小さくすることが重要です。

怒らないと自己ルールを決めるとか、怒りに支配されたら深呼吸するといった”If then”ルールを決めてみませんか・

怒りに囚われる機会が減れば、新たなカルマの生成を抑止することが出来ます。また、怒りを繰り返さないことで、怒りに関わる記憶が引き出される頻度が低下します。

そうすれば、怒りに関わる記憶は引き出されずらくなり、少しずつ心が浄化されてゆきます。

泰然自若

平常心を保ち、安穏とした心持で過ごすことを心がけましょう。感情が動いたとしても、その心を観察し反射的に反応しないよう練習を重ねましょう。

思いや考え、行動は全て記憶に残ります。だからこそ、煩悩に左右され、カルマが心に積もらないように心がけるととがとても大切です。

慢心、怒りなどのネガティブな感情が発生したとしても、それに支配されなければカルマは少しずつ薄まってゆきます。

記憶とは反復しなければ、少しづつではありますが、忘れ去られていくものです。

自然発生してしまう煩悩や観念と、どう向き合えばカルマの生成を抑えることが出来るのか、今後の記事で具体的にお話ししてみたいと思います。

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