FPVドローンを自作するにあったってフレームは初期段階で選ばれるべきパーツです。
当たり前の話ですが、どんなドローンを飛ばしてみたいのか、どこで飛ばすのかによって機体サイズサイズが決まります。
レース用の機体もあれば、近所の空き地でお手軽に飛ばすための期待もあります。
例えば最も手軽な機体であれば30グラム程度のものなどがあります。
モーターやプロペラ、フライトコントローラーやバッテリー等々がマウントされるフレームは、ドローンのベースとなる構成品ということができるでしょう。
フレームに求められる要素
ドローンのフレームは用途により様々な種類に分類されます。
頑丈な、例えば墜落させても壊れる確率が低いフレームを選択しようとすれば重量は大きくなります。
また、軽さを優先させる場合には耐久性を犠牲にしなければなりません。
フレームにおいては耐久性と重さはトレードオフの関係にあります。
重さについてはフレーム選定に一例にすぎませんが、要するに言いたいことは何を優先させるのかを決める初期段階でフレームは選定されるべきパーツということになります。
フライトスタイル
フレームはドローンの用途や飛行スタイルに合わせて設計されています。製品説明に記載されている内容をよく確認し選択しましょう。
・フリースタイル用フレーム
・レーシング用フレーム
・撮影用用フレーム
特にこれといった目的がなく、オールラウンドなドローンを自作したい場合にはフリースタイル用のフレームを選択しましょう。
フレームの重さ
軽量であればあるほどより速いスピード、優れた敏捷性、そしてより長い飛行時間を得ることが出来ます。また、慣性力が小さくなるため、クラッシュ時の破損も軽いほど軽減できます。
フレームの強度
カーボンファイバーは自重に対する剛性が高く、他の素材に比べて丈夫で耐久性があります。
カーボンファイバーは厚いほど強度、剛性、頑丈さに優れますが、その分重くなります。
耐久性において最も重要なのは、クラッシュ時に負担がかかるアーム部です。そのため、トップ、センター、ボトムプレートは3mmや2mmの薄いCFでカットされているのが一般的です。
5インチフレームのアームは一般的に4mmまたは5mmのカーボンファイバーを使用しています。
また、高速飛行時の衝撃力に耐えるために6mmのもの選択する場合もあります。
フレームや特にモーターをマウントしているアーム部分の変形はフライトコントローラー(ジャイロセンサー)への振動を発生させます。その結果モーター回転に余計な負荷がかかり異常な発熱が発生します。更にFPV映像へジェロも発生させてしまう能性もあります。
フレームの通電性(電気の伝導性)について
ドローンのフレームはほとんどの場合カーボンファイバー製のもととなります。
ここで注意しなければならないことに伝導性があります。カーボンファイバーは電気を通しやすいので、フレームに電線を接触させると、ショートして部品が焼ける可能性があります。
私もドローン自作を始めたころ何度か経験したのですが、ESCを固定している金属製のビスがフレームを介して電気的にショートし、その結果モーター(ひとつの場合もあれば複数のこともある)が回転しなくなるのです。または、回転がスムーズでなくなります。
最初のうちは原因が分からなくて、またESCが壊れてしまったとか、モーターが焼き付いてしまったと考えてわざわざ新しいものと交換したこともありました。
こうした電気的なショートを防止するためには、マウント用ビスを樹脂製のものにしたり、アンテナをフレームの外側に取り付けてるなどの工夫が必要となります。
スチールビス
もちろんビスを樹脂製にしてしまうと、その分強度は低下します。
そのため、特に期待が大きくなる程スチール製のビスを利用しなければならないということにもまります。
スチール製ビスを利用す場合にはフレームとビスの間にゴム製の緩衝材を入れ電気的な遮断対策をしっかりと行いましょう。
金属ビスの素材
アルミ製ビスは軽量ですが、とても柔らかくクラッシュすると曲がる可能性があります。大きなトルクがかかると簡単に剥がれます。
チタンは軽量で強度が高いのですがコスト的には高価なビスです。
金属素材利用時の注意点
ボルト、ナット、ハードウェアに異なる金属を用いた場合、機体の重量バランスに差が生じる可能性があります。組立の際に考慮して選択していきましょう。
ローンのフレーム構造
・スタンドオフ
・アーム
・モーターマウント
・カメラマウント
トップ/ボトムプレート/スタンドオフ
フレームの本体部分にはフライトコントローラー、ESC(4in1)、VTX、FPVカメラなどがマウントされます。通常フレーム本体部分ははボトムプレート、トッププレートで構成されます。また、これらのプレートを固定るるためのパーツがスタンドオフです。
アーム
アームにはモーターが取り付けられます。
クラッシュしたときに最初に壊れる場所になる確率が高いのがアームとなります。そのためアームの形状や厚さはフレームの耐久性に大きな役割を果たします。
フレームのサイズ
フレームサイズ(別名:ホイールベース)はモーターとモーターの対角線の距離をミリメートル単位で表されます。
またフレームを選定する際、メーカーやショップではフレームサイズではなく、対応可能な最大プロペラサイズがフレーム仕様として表記されていることも多いと思います。
例えば3インチフレームとは、3インチのプロペラを利用できるフレームサイズということです。
フレームサイズとプロペラサイズ
フレームサイズが大きくなる程、モーター設置箇所はフレームの中心からの距離が長くなります。
そして中心から離れれば離れるほど慣性モーメントが大きくなります。
慣性モーメントが大きければ、ドローンが飛行する際の加減速に対する抵抗も大きくなります。つまり、ドローンの動きは鈍くなり、反応が遅くなります。
したがって、フレームがサポート可能は最大のプロペラを使用し、モーターとプロペラの性能を最大限に発揮させるという考え方が大切になります。
わかりやすく言えば、5インチフレームに3インチのプロペラをつけたら、フレーム本来のバランスを損ないスムーズな飛行が出来なくなってしまいます。
フレームサイズとプロペラサイズの適切な関係
モーターのトルクや回転数、完成時の機体重量等々でフレームとプロペラのサイズは多少変わる可能性がありますが、サイズのみを考慮した場合の参考値は以下の通りです。
フレームサイズ220-250mm⇒6インチプロペラ
フレームサイズ180-220mm⇒5インチプロペラ
フレームサイズ150-180mm⇒4インチプロペラ
フレームサイズ120-150mm⇒3インチプロペラ
フレームサイズ120mm以下⇒2インチプロペラ
フレームとアーム一体型
ボトムプレートとアームが一枚のカーボンファイバーから切り出されている(ネジでボトムプレートとアームを接続するタイプではない)ものがあります。
軽量で組み立てが簡単ですが、アームが折れた場合ボトムプレートごと交換し、モーターもフライトコントローラーもESCもすべて別のフレームに移さなければなりません(アームが分かれていれば、壊れたアームを交換するだけ)。
アームの剛性はカーボンファイバーの幅と厚みに大きく左右されますが、経験上アームを交換できるフレームの方が剛性が高い気がします。
ドローンフレームの形状(フレームシェイプ/アームレイアウト)
フレーム形状はボトムプレートとアームのレイアウトにより様々なタイプがあります。
フレームの形状にはH型・X型・ハイブリッド-X型・ボックス型などがあります。
フレーム形状によりモーターがどのようにマウントされるかが異なり操作感や飛行性能に影響を与えます。
H型フレーム
H型フレームはアームが胴体の前後から突き出ていています。そのため、ボディが長くゆったりしており、各種電子機器のマウントがしやすくなります。
HDカメラもバッテリーもトッププレートに載せることができます。このことでピッチ軸の慣性モーメントが大きくなり飛行の機敏が劣ります。
X型フレーム
X型フレームはすべてのアームが中心で繋がるような形となります。
すべてのモーター間の距離は等しくなります。モーターが均等にマウントされるためバランスのとれた飛行性能となります。
アームとボトムプレートがテコの原理に効率の良い推力を生み出します。その結果、フライトコントローラーへの振動も軽減されます。
ストレッチX型フレーム
ストレッチX型フレームはフロントモーターとリアモーターの距離が離れて配置されます。
リアプロペラがフロントプロペラから受ける空気の乱れを軽減し、高速旋回時のハンドリングを向上させることが可能となります。
ボックス型フレーム
ボックス型フレームはアームの破損が起こりにくい、より丈夫なフレームとなります。
ただし重量は増します。ベストな選択ではありませんが、丈夫さを優先させる場合には有効な選択肢となります。
十字型フレーム
十字型のレームのサイドモーターは、乱気流のないきれいな空気の中で回転できます。
欠点としては、フロントモーターとプロペラがFPVカメラやHDカメラの視界に入りやすいことです。
その他フレーム
GoProカメラで映像を撮影するために使われますフレームは、フロントモーターがリアモーターよりも広く離れています。プロペラがカメラの視界に入らず適切に撮影することができます。
フレームの面取り
フレームのエッジはバッテリーストラップなどを切断してしまう可能性があります。
エッジをヤスリで面取りし接着剤などを薄くを塗布することをお勧めします。
フレームへのバッテリーマウント
バッテリーは構成パーツの中で最も重いものですが、バッテリーをフレーム丈夫にマウントすることで重心の中心がプロペラの高さに近くなります。これにより旋回回転時の慣性モーメントが減少し飛行がスムーズになります。
バッテリーをフレーム下部にマウントした場合着地のたびにバッテリーへダメージを与えてしまいます。
カメラのマウント
FPVカメラによって取付幅のサイズが異なります。フレームとカメラサイズに対応の対応を確認しましょう。
また、カメラのチルト角が適切に得られるか、簡単に調整できるかも確認する必要があります。チルト角度はFPV度カメラを介したドローンのコントロールに大きな影響を与えます。
GoProやInsta360などのHDカメラを搭載して飛行する場合は、フレームがHDカメラをサポートしているかどうかを確認しましょう。
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