前回の記事でフレームへのESCマウントやモーター接続について説明してもらいました。今回のドローン自作講座はどのような内容になりますか?
フライトコントローラーをESCに接続し、フレームにマウントするところまで説明しよう!
フライトコントローラーの基盤図面が必要だから準備しておいてね。
フライトコントローラーの基盤図面はどこから入手できるのですか?
図面は販売店やメーカーのサイトに掲載されているよ。実店舗で買った場合は、お店に人に聞いてみてね。
ドローン自作の経験がある人なら、図面がなくとも基盤の表記だけを見て接続することも難しくはないと思うけどね、最初は図面とにらめっこしながらの方が確実だよ。
フライトコントローラーとESCの接続
フライトコントローラーとESCの接続方法は主に3パターンあります。ハンダ付け、コネクタケーブル、またはフライトコントローラーとESCの基盤同士をピン端子で接合させる方法です。
ピン端子接合は2つの基盤の間に端子同士の出っ張りがあるため、ハンダ付けやコネクタケーブルによる接続よりも、上下方向のクリアランスが大きくなってしまいます。そのためフレーム内にうまく収めるのが難しくなることもありますのでご注意ください。
参考までに左記はピン端子による基盤同士の接合パターンです。フライトコントローラーとESCがセットで売られている製品にピン接合が多いと思います。基盤同士を接合するだけなので、配線順序を間違えることがないことがメリットです。
ハンダ、またはコネクタによる配線
ハンダ付けやコネクタによりフライトコントローラーとESCを配線するときは、図面と睨めっこしながら端子間の配列が正しいかを慎重に確認しましょう。配線を間違えるとフライトコントローラーが壊れてしまうことがあります。
コネクタで接続する場合、もしピン配列がずれていれば先端のとがったピンセットや精密ドライバーなどでコネクタからピンを外すこともできます。コネクタを壊さないよう上手に外さなければなりませんが、うまくピンを外し、差し替えることができれば、ピンの配列を変更できます。
- ESCのフライトコントローラー間の端子を正しく接続する
- 配線を間違えるとフライトコントローラーが壊れる場合もある
- コネクタのピンアサインを変えることも可能
各端子の役割
フライトコントローラーとESC間は同じ種類の端子を正しく接続します。主な端子にはVBAT、GROUND、モーター制御(M1~M4)があります。
- VBAT:ESCからフライトコントローラーへの電力供給用端子
- GROUND:アース端子
- M1 /M2 /M3 /M4:モーター(M1~M4)を制御する端子
- NC :ノーコネクト
上記以外に双方向DSHOT用のESCテレメトリー用端子などもありますが、こちらの書籍にて詳しく説明しています。
フレームへのマウント
フライトコントローラーとESCの配線関係が確認出来たら、それぞれの基盤をフレームへ固定します。ハンダ付けによる配線は、予め配線を終えてからフレームへ固定する方がやり易い思います。フレームマウント後では、小さな端子にハンダゴテをあてるのが難しくなります。
コネクタケーブルによる配線の場合はフライトコントローラーとESCをフレームに固定してからでも配線接続が可能です。フレーム形状など状況に応じて、マウントしてから配線するか、配線後にマウントするかを決めることができます。
ピン接続による配線はフレームへの固定と同時にフライトコントローラーとESCが接続されます。
- 予めハンダ付け配線を終えてからフレームへの固定を行う
- コネクタ配線はフライトコントローラーとESC をフレームに固定してからでも配線接続が可能
- ピン接続の場合はフレームへの固定と同時に、フライトコントローラーとESCが接続される
マウントの順序について
フレームの底側から順番にESC→フライトコントローラーをマウントします。その際に、ESCやフライトコントローラーの前後方向を間違わないように気を付けましょう。ESCの向きについては、こちらの記事で説明していますのでご確認ください。フライトコントローラーについては、矢印などで基盤に方向が表記されています。前後左右を正しくマウントしないと、ジャイロセンサーが正確な姿勢制御を行えなくなります。
前述しましたがピン接続の場合、一定のマウント間隔が必要となります。状況によっては、上下方向のスペースが圧迫され、他のパーツマウントに支障をきたすこともあります。
- 基本はフレームの底側から順番にESC→フライトコントローラーをマウント
- フライトコントローラーとESCの前後方向を確認する
マウント時の注意事項
フライトコントローラーやESCをマウントするときは、シリコンリングやナイロンスペーサーを用いるとよいでしょう。ジャイロセンサーへの振動を低減させるために、フレームとESC、ESCとフライトコントローラーの間には衝撃緩衝材を挟むことをお勧めします。緩衝材にはシリコン製やゴム製のリングを利用します。
また、マウントに金属製のネジを使うと、そのネジによる漏電やショートが起こりやすくなります。ドローンのフレームはカーボン製がほとんどです。カーボンもネジ同様に電気を通しますので、金属ネジやフレームがショートの原因になり、モーターが誤動作を起こすなどの障害を発生させます。金属製ビスを使う際は基盤のマウントホールにゴム製のクッションをかませ、カーボンフレームに電流が伝わらないようにします。ゴム製クッションはマウントホールのサイズに合わせて、内径がM2やM3ものを使いましょう。
個人的には電気を通さないナイロン製のビスをよく使います。金属より軽いので機体の軽量化にもつながります。
- 衝撃緩衝材としてシリコンリングやナイロンスペーサーを用いる
- 金属製のネジを使うと漏電やショートにより誤動作を起こすこともあるため、金属性ビスと基板間にゴム製スペーサーを使ったり、ビスをナイロン製にする
動画でも説明しています
YouTubeの登録もよろしくお願いします!!
ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!
コメント