前のドローン自作講座でプロペラの事を教えてもらいました。そのプロペラを回すモーターについても教えてもらえますか?
もちろんっ!!でも、その前に少し復習してみよう。モーターのトルクと回転数の関係はちゃんと理解できたかな?
はい。低回転型のモーターはトルクが強力で、高回転型はトルクが小さい。だからトルクが強いモーターにはピッチの大きなプロペラを、高回転型のモーターにはピッチの小さなモーターを使うのですよね。
うん、大丈夫みたいだね。それでは、今回はその続きから話してみよう。
ドローンに使うモーターは2種類ある
ラジコンカーの経験がある人ならなじみがあるかもしれませんが、ドローンのモーターにはブラシモーターとブラシレスモーターがあります。この2種類のモーターは構造の違いから区別されています。
小さな機体にはブラシモーターを使うことがあります。そして、機体が大きくなり、重量がアップするに従いブラシレスモーターを選択する事がほとんどです。
ドローンのブラシモーターはシャフトが回転します。そしてブラシレスモーターはシャフトと共にモーターのカバーも回転します(注:ラジコンカーのブラシレスモーターはシャフトのみが回転します)。
ドローン用モーターの回転軸
あまり上手な図ではなく申し訳ありません。ブラシモーターは回転する軸にコイルが巻き付けられています。そしてコイルへ電流を流すためのブラシという電極が存在します。そのブラシはモーター軸の回転に伴い摩耗するため、メンテナンスが必要となります。
それに対してブラシレスモーターは摩耗するような電極はありません。コイルが巻かれている部分は回転せず、コイルの外側のモーターカバーが回転します。プロペラを回すための軸はカバー側に付いています。摩耗する部品がないので定期的にブラシのような電極を交換する必要がありません。
- ブラシモーターは回転軸にコイルが巻き付けられている
- コイルへ電流を流すためのブラシという電極が存在する
- ブラシはモーター軸の回転に伴い摩耗するため、メンテナンスが必要となる
- ブラシレスモーターはコイル外側にあるカバー部が回転する
- プロペラを回す回転軸はカバー側に付いている
- コイルは回転しない部分に巻かれている
- ブラシのような摩耗部品がない
モーターの制御
ブラシモーターの回転数は電圧に比例します。ブラシレスモーターはESCという制御装置からの信号により回転数がコントロールされます。
- ブラシモーターの回転数は電圧に比例
- ブラシレスモーターはESCにより回転数がコントロールされる
- 回転数が安定し、かつ効率的に電力が消費される
KV値
カタログなどでモーターの仕様を確認しるとKV値という単位に気づきます。KV値とは1ボルトの電圧で1分間に何回転するのかという値です。単位は 「KV=rpm/V」。
例えば2500KVならモーターは1分間に1ボルトの電圧で2500回転するということになります。KV値が低ければ回転数が少なくなり、トルクは強くなります。
- KV値とは1ボルトの電圧で1分間にモーターが何回転すかを表す値
- 単位は「KV=rpm/V」
KV値とトルクの関係
KV値が高ければ高回転型モーターということになりますがトルクは弱くなります。前回の記事でも説明しましたが直径、またはピッチが大きく、より強い力がないと回転させることができないプロペラにはトルクの大きなモーターを選択します。そして、小型の機体でプロペラが小さければ、トルクは弱いが高回転型のモーターを選択します。
- KV値が小さければ回転数は低くなる(トルクは強くなる)
- KV値が大きければ回転数は高くなる(トルクは弱くなる)
KV値の大きいモーターには抵抗の小さなプロペラを使い、そのぶん高速回転させて揚力を得ます。モーターの重量は高回転型ほど軽くなります。小さなフレームのドローンほどプロペラの径も小さくせざるを得ませんので理にかなっていますね。
- 小さな軽い機体は高回転型のモーターを選択
- 大きな重い機体はトルク重視の低回転型モーターを選択
モーターのサイズ表記
モーターのサイズは4桁の数値で表されます。サイズはモーターケースではなく、コイルの直径と高さを差します。
- モーターサイズは4桁の数字で表記
- 前の2桁がコイルの直径
- 後の2桁がコイルの高さ
- 例) 2015: コイルの直径は20mm、コイルの高さは15mm
参考:こんなモーターが売られています
実際にどのようなモーターがあるのか、販売店を少しのぞいてみましょう。MakerFire:モーター各種
ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!
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