受信機・ブザー・カメラ・VTXの接続とマウント【ドローン自作講座】

先輩、今回のドローン自作講座の内容を教えてください!

フライトコントローラー基盤へ受信機やブザー、カメラやVTXを接続する方法について解説してみようかな。

それと、機体フレームへマウントする際に注意すべきポイントについても説明するよ!

よろしくお願いします。

受信機の接続

受信機は送信器と共通の規格で通信します(以前の記事をご参照ください)。例えばフタバ社の製品であれば、S-FHSS/T-FHSS/FA-FHSSといった規格があり、受信機と送信機はこの方式で電波のやり取りを行います。次に、受信機とフライトコントローラーは、S.BUSなどの方式で信号のやり取りを行います。受信機-フライトコントローラー間の規格は他にもありますが、デジタル式のS.BUSが主流です。

受信機フライトコントローラーはハンダ付けにより接続します。フライトコントローラーの基盤図面を確認し受信機用の端子を確認しましょう。パーツを選択する際に、受信機とフライトコントローラーの整合性を確認する必要がありますが、S.BUSやDSMなど幾つかの種類がありますのでご注意ください。

受信機からは3本の配線が出ています。一般的に赤い線が5ボルト、黒い線がGround(アース)、白い線がS.BUSなどの信号線となります。信号線は上記でも述べた通り、他にDSMやDSMSなどの方式もあります。これら3本の配線をそれぞれ、フライトコントローラー側の端子と接続します。

受信機をフライトコントローラーが接続出来たら、ESCへバッテリーをつなげ電源を入れてみましょう。受信機にLEDが付いていれば赤などに発光すると思います。

  • 受信機からは5V、Ground、信号線(S.BUS等)の3本の配線が出ている
  • 受信機の3本の配線をフライトコントローラー側端子へそれぞれ接続する

ブザーの接続

フライトコントローラーへブザーを取り付けてみましょう。ブザーは数百円で購入できます。初心者のうちは特にドローンを墜落させやすいと思いますが、草むらの中だと機体を見つけることがとても大変です。でも、バッテリー電源さえ生きていれば、送信機からの操作でドローンに接続されたブザーを鳴らし容易に見つけ出すことが可能となります

ブザーの鳴動についてはBetaflightの設定も必要となりますが、それについては別途記事でお伝えします(こちらの書籍にもBetaflightの設定方法が詳しく説明されています)。

  • ブザーからはプラスとマイナスの配線が出ている
  • フライトコントローラー側のブザー用端子を確認しハンダ付けする

カメラの接続

FPV用のカメラをフライトコントローラーへ繋ぐための配線は3本あります。この3本の配線は、映像を送る信号線と電源、アース用の配線です。製品によって、信号線をVIDEO_OUT、または、TXと表記されているものもあります。各端子から出ている配線をフライトコントローラー側の同じ端子に接続します。

カメラ側のVIDEO_OUT(またはTX)端子を、フライトコントローラー側のVIDEO_IN(またはRX)端子と接続します。また、電源用の5V(またはVBAT)とGround(Ground)端子は、フライトコントローラー側の5VとGround(Ground)端子へ接続します。

カメラの電源端子が5VではなくVBATとなっている場合がありますが、これはバッテリーからの高電圧をカメラにつなぐための端子です。カメラ側がVBATであればフライトコントローラー側もVBAT端子につなぎます。もしフライトコントローラーにVBATがなければ、ESC基盤のVBAT端子でも構いません。ESCのVBAT使ったときはGroundもESC側へ繋げてください。

カメラによっては上記で述べた3本の配線に加えて、OSDとGround配線が出ている製品もあります。この2本はカメラ設定を行うための配線です。

FPVカメラの概要や選定については別の記事でも説明していますので是非ご確認下さい。

  • カメラからは信号線(VIDEO_OUT、またはTX)、電源線(5V、またはVBAT)、Groundの3本の配線が出ている
  • カメラの3本の配線をフライトコントローラー側のCAM端子へ接続する
  • カメラのVIDEO_OUT(TX)端子とフライトコントローラーのVIDEO_IN(RX)を繋ぐ
  • カメラとフライトコントローラーの5V端子同士、Ground端子同士を繋ぐ
  • カメラ側が5VではなくVBATの場合もある
  • カメラのVBATはフライトコントローラーまたは、ESCのVBATと接続
  • ESCのVBATにカメラを繋げた場合には、GroundもESC 側へ繋げる
  • OSDとGround端子のあるカメラもある(カメラ設定を行うための配線)

ジェロ対策

ジェロとはモーターなどからの振動がカメラやVTXに伝わり発生する画像の乱れです。カメラのマウントでは、このジェロを低減するための工夫が必要となります。シリコンリングやカメラマウント用の防振パーツなどを使い、機体の振動がカメラへ伝わらないように組み上げましょう。

  • ジェロ低減の工夫が必要
  • シリコンリングやカメラマウント用防振パーツの利用

VTXの接続

VTXはカメラからの映像やフライトコントローラーのOSD情報をFPVゴーグルやモニターへ無線送信するためのパーツです。VTXの概要選定ポイントについては別の記事でも説明していますので是非ご覧ください。

VTXの基盤にはフライトコントローラーから映像データを受け取るためのVIDEO_IN(RX)端子や、電源用の5V、Ground端子があります(右の写真;下から順に信号線・Ground・5V)。

VTXのVIDEO_IN(RX)端子はフライトコントローラー側のVIDEO_OUT(TX)端子と接続します。また、VTXの5VとGroundの端子は、フライトコントローラーの5VとGroundの端子とそれぞれ接続します。

カメラの場合と同様にVBAT端子があるときは、5Vを使わずにVBAT端子をフライトコントローラーやESCのVBAT端子と接続します。ESCのVBAT端子と接続した場合は、GroundもESC側と接続しましょう。

  • VTX側VIDEO_IN(RX)端子と、フライトコントローラー側VIDEO_OUT(TX)を接続
  • VTXとフライトコントローラーの5V、Ground端子同士をそれぞれ接続
  • VBATはフライトコントローラーやESCのVBATと接続(VBATを使用する場合は5Vを使わない)

VTXのOSD用配線

製品によってはVTXの出力や、バンド・チャンネルを、OSD機能によりモニターへ表示することが出来るものもあります。FPVゴーグルやモニターに設定情報を表示させ、送信機のスティックで設定変更の操作をします。外でドローンを飛ばしている際に、各種設定変更を手軽にできる便利な機能です。

この機能を使うためにはVTXのスマートオーディオなどの端子を、フライトコントローラー基盤上の空いているTX端子と接続する必要があります。TBS SmartAudio、またはIRC Trampなど、製品により端子名は異なります(右上の写真;下から3番目がTBS SmartAudio)。

VTXのOSD用端子をフライトコントローラー基盤上のTX端子と接続

この機能を使うためにはBetaflightにて設定が必要となります(こちらの書籍にて詳細を確認できます)。

VTXのフレームへのマウント

VTXは他のパーツの搭載状況を加味しながら、排熱の影響が少なくなるように検討して組み込みましょう。

パーツを縦方向に積み上げる場合、ESCやフライトコントローラーとの間隔を十分にとり、VTXを最上部へマウントします。また、前後にスペースがあれば、他のパーツと重ねずに前後の空きスペースにマウントするほうがいいと思います。

アンテナをフレームのどこに固定するかも考慮しなければなりません。VTXには電波を送信するアンテナが付いていますが、あらかじめアンテナをどのように出すのかを決めてからVTXを搭載します。

  • 縦方向に重ねる場合、一番上にVTXをマウントする
  • 前後にスペースの余裕があれば、重ねずにマウントする
  • アンテナをフレームのどこに固定するかを決めてからマウントする

フレームへのVTXマウントにおける発熱対策

VTX は高温になりやすいパーツです。そのため、機体をくみ上げる際はエアフローをしっかりと検討する必要があります。各パーツ間の離隔を適度に保ち、効率よく排熱し、冷却できるレイアウトとしましょう。

また、組み立ての最中、アンテナを取り付ずにVTXの電源を入れてしまうと直ぐに高温になってしまいます。破損を防ぐためにご注意ください。

排熱を考慮したエアフロー、レイアウトを検討する

VTXマウントについて、その他注意点

機体のフレーム素材であるカーボンファイバーは電気を通します。VTXだけとは限りませんが、被覆が破れむき出しになった配線やアンテナが、フレームに接触することでVTXが過熱してしまいます。また、ノイズが乗って画像が乱れ、操縦に支障が出る可能性もあります。さらに金属ネジがVTXやアンテナに接触することで同様の事象が発生することもあります。これらのことを注意して機体を組み上げましょう。

  • フレーム素材(カーボンファイバー)は電気を通す
  • アンテナなどがカーボンと接触すると、VTXの過熱やノイズ混入が発生
  • 被覆が破れむき出しになった状態の配線やアンテナが接触しないように注意
  • 金属製ネジとVTXの接触も漏電、ショートの原因となる場合がある

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