ESCについて【ドローン自作講座】

ESCとは【ドローン自作講座】

FPVドローン / FPV Drone

2021.01.312022.04.25

前回説明していただいたフライトコントローラーのところで、ESCというパーツの名前がよく出てきました。このESCについて詳しく教えてもらえますか？

ESCはドローンのモーター回転を制御するパーツだよ。それでは、今回はESCの概要ということで説明することしよう！

ESCとは

ESCはモーターの回転速度を制御します。フライトコントローラーが計算した適正なモーター回転速度に応じて、ESCは電流を流しモーターの回転速度を直接コントロールします。

なぜ、フライトコントローラーがモーターを直接制御しないのだろう？

いい質問だね！どうしてESCを介したモーター制御が必要なのかを説明しよう。

モーターの回転速度を算出したフライトコントローラーがモーターを制御せず、なぜESCがモーター制御を行うのか？

その理由は扱う電圧が違うからです。モーターを駆動させるために必要な電圧と、フライトコントローラーが各種センサー類を動かすのに必要な電圧の大きさが違うからです。

モーターを駆動させるためにはバッテリーから供給されるのと同等の電圧が必要です。それに対してフライトコントローラーが作動するための電圧はもっと低く、バッテリーを直接繋ぐと電圧が高すぎ基盤上のチップ類が壊れてしまいます。

こうした理由から、バッテリーはESC へ接続します。そして、ESC からBEC と呼ばれる部品を介してフライトコントローラーへ降圧した電力を供給します。BEC は電圧を5Vに降圧させフライトコントローラーへ電力を流すのです。

フライトコントローラー上の各種センサーに流すことの出来る電圧と、ESCによりモーターを駆動させるための電圧を分けて利用するのです。モーターはESCを介しバッテリーと繋がっていますが、フライトコントローラーにはBEC という専用の半導体部品を用いて電圧を5ボルト程度まで下げてから電力が供給されます。

ESC はフライトコントローラーからの制御信号を受け、モーターへ大きな電流をながし回転速度をコントロールします。

先輩、ドローンのモーターは一般的に4つありますが、ＥＳＣはモーター毎に取り付けるのでしょうか？

またまた、とてもいい質問だね！ＥＳＣにはモーターそれぞれにひとつずつ取り付ける単体タイプと、ひとつのＥＳＣで4つのモーターを制御できる4in1タイプがあるんだ！ドローンの自作を始めようとする人には4in1タイプをお勧めします。

単体タイプのESCはモーターの数だけ必要となります。4つモーターがあればフレームのアーム部分にひとつずつESCを取り付けます。

また、このタイプのESCでは、別途パワーディストリビューターというパーツも必要になります。パワーディストリビューターとは、モーターや各ESCを繋げる統合配線盤で、ESCやフライトコントローラーと共に機体に搭載されます。

単体タイプのメリットはひとつのESCが壊れても、その壊れたESCだけを交換すれば済むことです。デメリットとしてはモーターの数だけESCを購入しなくてはならず費用がかさむという事と、パーツが増える分機体重量も増してしまう事があげられます。

複数のモーターをひとつのESCで制御できる4in1タイプは配線がとてもスッキリします。1グラムの軽さで飛行が変わるドローンにとってはメリットとなります。モーターが直接ESCにつながるためパワーディストリビューターは不要となります。これもドローンの軽量化に繋がります。

また配線がスッキリするということはエアフロー効果も増すため、基盤の発する発熱対策にも役立ちます。電子部品が乗っている基盤は熱くなりすぎると過電流が流れてしまいモーターやセンサーが壊れてしまいます。

メーカーや販売店のサイトでESCをみると、仕様にONEショット、マルチショット、ディーショットという用語が出てきます。これらの用語はESCががモーターを制御するためのプロトコルと理解してください。プロトコルとはESCとモーター間の制御手順のことです。

販売店に置かれているESCをちょっと覗いてみましょう。MakerfierのESCコーナー

ドローン自作に関することは、「ドローン製作ベータフライト設定完全ガイド」でも詳しく解説しています！

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