フライトコントローラーの機能や性能については以前の記事で説明してもらいましたが、選定ポイントについても教えてもらえますか?
フライトコントローラーを選ぶときは、最初にF3やF4、F7のどれにするのかを考えてみよう。パソコンに例えたらCPUに相当する部分だから、この違いでドローンの飛行が大きく変わるよ。
なるほど!!選び方次第で飛行中の姿勢制御やモーターの適正回転数を計算するときの能力に差が出る、大事なポイントですね。
フライトコントローラーの選定
フライトコントローラーを選ぶときは、オーバースペックにならない程度に(お財布と相談しつつ)出来るだけハイスペックなものを選びましょう。目安として100グラム未満の小さな機体を作るのであればF4クラス、レース用ドローンならF4もしくは高性能なF7といった選定になります。
空撮用ドローンならGPSや気圧センサー、コンパスが必要ですが、これらのセンサーはF7に搭載されます。
F4なのかF7にすべきなのかについては、飛行経験によっても違ってくると思います。経験が浅いうちはハイスペックのものを選んだとしても、その性能を実感できず、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。
- 100グラム未満のドローンであればF4クラスで十分
- ハイスペックな機体を追求するといった場合はF7を検討
- レース機の自作ならF7
- 空撮用でGPSや気圧センサー、コンパスを搭載するならF7
UARTは何系統あるか確認しましょう
UARTとはフライトコントローラーに内臓されていない機器、例えば受信機やVTXなどを外付けする際に必要となる端子数です。UARTはF3・F4・F7毎に系統数が決まっています。(こちらの記事で説明してます)。
外部機器をいくつ取り付けるのかチェックし、フライトコントローラーを選択しましょう。
- UART とは受信機やVTXなど、外付パーツの接続端子数
- UART はF3、F4、F7 毎に系統数が決まっている
- いくつ外部機器を取り付け予定なのかを決めてから選定する
フライトコントローラーと受信機との整合性について
S.BUSなど、受信機とフライトコントローラー間の通信方式も確認しましょう(S.BUS等については、以前書いた記事にて説明しています)。この規格が合わないと、受信機⇒フライトコントローラーの操作信号が伝達されません。
フライトコントローラーのマウントホールについて
フライトコントローラーがフレームに搭載できるサイズなのかを確認しましょう。フライトコントローラー基盤の固定用の穴の間隔と、フレーム側の取り付け穴の間隔が一致していないと、物理的にフライトコントローラーをフレームへ搭載できません。
取り付け穴の間隔は標準的に決まっており、20㎜×20㎜、または30.5㎜×30.5㎜などがの種類があります。目安として、3インチのプロペラサイズに対応した130㎜位までのフレームサイズなら20㎜×20㎜、5 インチ以上機体サイズであれば30.5㎜×30.5㎜となります。
- フライトコントローラー基盤の固定用穴と、フレーム側取付穴の間隔が一致しているか確認(16㎜×16㎜、20㎜×20㎜、30.5㎜×30.5㎜など)
また、ネジ穴の直径も確認しなければなりません。20㎜×20㎜の場合はネジ穴がM2、30.5㎜×30.5㎜ならネジ穴はM3となります。
- マウントホールの間隔に応じてネジ穴の直径が決まる(20㎜×20㎜ならM2、30.5㎜×30.5㎜ならM3)
フレームとフライトコントローラーの仕様をよく確認しましょう。
ジャイロセンサーについて
ジャイロセンサーはフライトコントローラー基盤に搭載されているチップで、ドローンがどんな傾きで飛行しているのかを読み取り、姿勢情報としてフライトコントローラーへ渡します。ジャイロセンサーの処理速度は4kHz・8kHz・16kHzなど、製品により処理能力の違いがあります(数値が大きいほど高速処理ができます)。フライトコントローラーの仕様ではMPU6000(8kHz)、ICM20602(32KHz)といった記載になっています。
また、後々の記事で説明する予定のベータフライト設定で、ジャイロセンサーの処理速度を入力する項目があるので、フライトコントローラーを選択する際は確認しておかなければなりません。
自作するドローンの飛行性能に大きく関わるため、処理速度の高いジャイロセンサーを選択するのがいいと思います。
OSD(On Screen Display)
フライトコントローラーにOSD機能が付いているか確認しましょう。OSDは飛行時間やバッテリー残量、各種センサーからの情報などをFPVモニターに映し出す機能です(カメラからの映像と共にモニターへ表示されます)。OSDはFPVによる飛行に必要なので、OSD内臓のフライトコントローラーを選ぶことをお勧めします。
もし、OSDを後から外付けする場合、フライトコントローラーとは別のファームウエアで設定しなければならず、余計な手間がかかってしまします。また、搭載する基盤が増えることで設置スペースや、機体重量が増してしまいます。
- OSD 機能の有無をチェック
- OSD は飛行時間やバッテリー残量、各種センサーからの情報などをFPVモニタへ映し出す機能
BECの有無も確認しましょう
一般的にフライトコントローラーへは5ボルトの電力が供給されます。バッテリーからの電力はESC経由でフライトコントローラーに供給されますが、バッテリーの高電圧が流れてしまうとフライトコントローラーが壊れてしまいます。バッテリーからの電圧は11.1ボルトや14.8ボルト程度となりますが、5ボルト以上の大きな電圧がかかってしまいうとフライトコントローラーが壊れ、場合によっては発火してしまいます。そうならないようにBECはバッテリーからの電圧を5ボルトに降圧させ、フライトコントローラーへ電流を流します。
フライトコントローラーを選択する際には、BECがあるかどうかを確認しましょう。ただし、フライトコントローラーにBEC機能がなくても、ESC側にBECが付いていれば、それでも問題ありません。
- フライトコントローラーは5ボルトの電圧で動作
- BECはバッテリーからの電圧を5ボルトに降圧させる
- ただしESC側にBECが付いていればフライトコントローラーには不要
LCフィルターの有無
LCフィルターが内蔵されていると電磁的なノイズがカットされるため、きれいなFPV映像を送信することが出来ます。特にレーシングタイプのドローンはモーターを高速で回転させたり、回転の切り替えが頻繁に発生することでノイズが発生します。これを低減させるのがLCフィルターです。
- モーターの高速回転や回転数の切替えが頻繁に発生する程、FPV映像にノイズが乗りやすくなる
- LCフィルターが内蔵されていると電磁的なノイズがカットされる
DSHOT
DSHOTはESCのプロトコルですが、フライトコントローラー側もDSHOTに対応していなければ適切な動作をしてくれません。DSHOT対応の可否はフライトコントローラーの仕様に記載されています。
参考までに購入後の確認方法ですが、フライトコントローラーをPCに接続しBetaFlightを起動させ、コマンドラインにて「Get PWM」と入力しエンターを押してください。対応しているESCのプロトコルが表示されます。DSHOTと表示されれば対応しているということが確認できます(BetaFlightについては、こちらの書籍にて詳しく説明しています)。
- DSHOTはESC のプロトコル
- フライトコントローラーがDSHOTに対応していれば、DSHOTタイプのESCと接続可能
ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!
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