今回はESCの選定について教えてください。
そうだね、前回の記事ではフライトコントローラー選定について説明したから、順番からいえばESCということになるね。では、今回はESCについて説明しよう!
ESCって何だろうと思った人は、こちらの記事で解説しているから確認してね。。
ESCの選定ポイント
最初に結論からご説明しますが、ESCの選定ポイントは以下の通りです。
- モーターのアンペア数をESCはカバーできているか?
- ESCのファームウエアはBLHeliか?
- ESCのモーター制御プロトコルは何か?
- ESCにBECを搭載しているか?
- フレームにマウントできるサイズか?
上記各項目について、詳しく説明しましょう。
ESCのアンペア数
モーターの最大電流値以上の定格電流値を備えたESCを選択しましょう。許容できる最大電流値はESCやモーターの製品仕様で確認できます。
もしモーターとESCの組み合わせを誤ると、ESCの許容値を超えた電流が流れ、ESCが破損することがあります。ESCにブレーカーは付いていません。ドローンを飛行する方向と反対側へ急旋回させた場合、消費可能な最大量の電流を流そうとしモーターに大きな負荷がかかります。例えば、40アンペアのモーターを30 アンペアのESC に繋げてしまうと、ESCの許容値以上の電流が壊れてしまいます。
- モーターの最大電流値よりも大きな定格電流値のESCを選択する
- 許容値を超えた電流がESCへ流れると破損・発火につながる
- 急旋回のたびにモーター負荷がかかり最大電流が流れる
ESCのファームウエア
2つめのESC選定ポイントは、モーターを制御するためのファームウエアについてです。ファームウエアとはESCを動かすためのプログラムのことです。
お勧めは、最も汎用的に利用されているBLHeli_SやBLHeli_32です。BLHeliで動作するESCを使えば、フライトコントローラー経由でファームウエアの更新やモーター回転方向の設定を行うことができます。この場合、フライトコントローラー側のファームウエアはBetaFlightとなりますが設定方法等については別途説明予定です)。
ESCのプロトコル
ESCがモーター回転を制御する方式をプロトコルといいます。カタログなどでESCのスペックを確認するとDSHOT対応となっているものが多いと思います。ESCを選択する際はDSHOTであるかどうかを確認しましょう。
従来の方式にはワンショットやマルチショットといったものがありましたが、これらはアナログ式のプロトコルとなります。そしてDSHOTはデジタル式の制御に進化したものです。デジタル式で動作するDSHOT は従来のアナログタイプに比べ処理速度が向上しています。また、モーターのキャリブレーション(ESCに接続されたモーターの最大/最小回転数などを認識させる)も自動で行ってくれます。ワンショットやマルチショットの場合には、モーターの最大と最小の回転数をキャリブレーションによりESCへ書き込むための設定が必要です。
- ESCがモーターの回転を制御するプロトコル(方式):DSHOT(推奨)
- デジタル制御のDSHOT はアナログ制御より処理速度が向上
- DSHOTは手動でのモーターキャリブレーションが不要
ESCのファームウエアとプロトコルの関係
DSHOT600(ファームウエア)はBLHeli_S(プロトコル)、DSHOT1200(ファームウエア)はBLHeli_32(プロトコル)での制御となります。
- DSHOT600(8K) : BLHeli_S
- DSHOT1200(32K): BLHeli_32
BEC
ESC、またはフライトコントローラーのどちらかにBEC機能があるかを確認しましょう。
フライトコントローラーの電源はESCから供給されます。そしてバッテリーはESCへ接続します。こうした接続において、バッテリーからフライトコントローラーへ高電圧の電流が流れてしまうと、フライトコントローラーが壊れてしまいます。なぜなら、フライトコントローラーは5ボルトで動作するからです。バッテリーはセル数によって電圧が決まりますが、例えば3セルのバッテリーをESC につないだ場合、電圧は11.1ボルトとなります。
従って、ESCは5ボルトに降圧した電流をフライトコントローラーへ供給しなければなりません。このときに、バッテリーからの高電圧を5ボルトに下げる役割を果たすのがBECというチップ(回路)です。BECはESCまたは、フライトコントローラーのどちらか一方にあれば大丈夫です。
ESCのマウントホール
ドローンのフレームにより、取り付け可能なESCのサイズが決まります。
フレームの取り付け穴間隔は20㎜×20㎜、30.5㎜×30.5㎜などの種類があります。小型の機体であれば、もっと小さなものは16㎜×16㎜の場合もあります。
また、マウントホール同士の間隔だけではなく、マウントホールの直径も確認する必要があります。直径にはM3(3㎜)やM2(2㎜)などがあります。
ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!
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