ドローンを自作しようとする際、まず最初に思いつく事といえばドローンならではの独特の機体形状ですよね。
飛行機やヘリコプターとは異なり、基本的に4つのプロペラで飛ぶのがドローンだね。
どんな飛ばし方をしたいのか、例えばレース用のドローンなのか、それとも近所の空き地でお手軽に飛ばしたいのか、それによって作る機体も違ってきますね!
その通り!!さまざまなパーツを搭載するための機体とプロペラのサイズを最初に決めると、そのあとの組み立て方針が立てやすくなるんだ。それじゃあ今回は機体フレームとプロペラについて概要を説明することにしよう。
ドローンのフレーム
モーターや制御用の基盤類、バッテリー電源を乗せる骨組みをフレームといいます。フレームの材質はカーボンであり丈夫さと軽さが両立されています。
ドローンのフレームサイズ
※赤い線:フレームサイズ / 青い丸:モーター取り付け位置
海や山、広い空き地でなどを自由に飛行するフリースタイルでは230ミリ、180ミリ、150ミリ程度のフレームサイズがよく使われます。
また、ドローンレースの場合は大きめのフレームにパワーのあるモーターを搭載しますので、一般的には250ミリ~280ミリ前後のサイズとなります。
屋内や近所の公園など身近な場所で飛ばす場合には、65ミリ~100ミリ位のフレームが向いていると思います。
ドローンのプロペラ
ドローンと聞いて最初にイメージするパーツはプロペラではないでしょうか?プロペラはモーターの回転を揚力という、機体を浮上させる力へ変換する役割を担っています。
モーターがプロペラを回転させるパワーをトルクと呼びます。そして、モーターのトルクにより使用できるプロペラが異なります。プロペラの性能次第でドローンの飛行特性が決まりますし、好みの飛び方に変えることが可能となります。
プロペラのサイズ
プロペラのサイズは直径で表され、単位はインチが一般的です。
- フレームサイズにより選択可能なプロペラサイズが決まる
- フレーム仕様を確認すると適したプロペラサイズが表記されている
- 5インチ以上の大きなサイズから3インチ、5インチ、2インチ、1.5インチ、1インチなどがある
プロペラの素材
プロペラ素材にはナイロングラスファイバーポリカーボネイトがあります。
ナイロングラスファイバーは固く風の抵抗による変形が少ないといった特性がります。そのため、モーターからのパワーがダイレクトに飛行に反映されるため、飛行スピードを求める場合に有効な選択となります。ただし墜落の衝撃で折れやすいのが難点といえます。
ポリカーボネイトは柔軟性があるため折れにくいのが特徴です。ナイロングラスファイバー製よりも軽量で燃費(電池の消費)効率が良いといった長所もあります。ただし、急激な旋回などプロペラに負荷がかかる場面では機敏性に欠けるといった短所もあります。
- ナイロングラスファイバー製プロペラは固いため風の抵抗による変形が少ない
- モーターからのパワーをダイレクトに伝えることが出来る
- 飛行速度を優先させる場合には有効な選択
- 墜落などの衝撃で折れやすい
- ポリカーボネイト製プロペラは軽く柔軟性がある
- 軽いため燃費(電池の消費)効率が良い
- 柔らかいため、旋回や方向転換など、プロペラに負荷がかかる場面では少々機敏性に欠ける
プロペラの枚数
一般的にドローンには2枚から4 枚の羽根が付いたプロペラを使います。フレームサイズや形状、モーターパワーなどとの関連もありプロペラの枚数だけで飛び方が決まるわけではありません。プロペラの羽根が何枚だとどんな飛び方をするといった定義は難しく、その機体ごとにどんな飛び方になるのかを試さなければなりません。
あえてプロペラの枚数による違いだけで、ドローンの飛行がどのようになるのかを挙げてみると以下のようになります。
- 枚数が増えるほど操作性と機動性が向上する
- ただしプロップウォッシュと呼ばれる乱気流により飛行が乱れることもある
- 枚数が少ない場合は安定したホバリングをしやすい
- プロペラサイズも考慮しなければならないが・・・
- 小型軽量ドローンで2 枚羽を使うとレース機の様なダイナミック飛行ができる
プロペラのピッチ
プロペラのひねり具合をピッチと呼びます。ピッチの違いによりプロペラが一回転するときに進む距離が異なります。
ピッチが大きい(ひねりが大きい)ほど推進力が増しますが、その分モーターのトルクが大きくなければなりません(モーターは低回転タイプほどトルクが大きくなります)。
トルクの大きなモーターは高回転型ではないため、取り付けられるプロペラのピッチが大きくなければ推進力を得られません。モータートルクがあればプロペラピッチが大きくても十分プロペラを回す力を得ることが出来ます。トルク重視のモーターは低回転型なのでピッチの小さなプロペラでは推進力が生まれません。
反対に高回転型のモーターほどトルクは小さくなるため、プロペラのピッチは小さいものを選択します。
- プロペラピッチが大きくなるほど強いモータートルクが必要
- モーターは低回転タイプほどトルクが強くなる
- トルクの強いモーターは高回転型ではないためプロペラピッチが大きくなければ推進力が得られない
- モータートルクが強ければピッチが大きくともしっかりとプロペラを回すことができる
- トルク重視のモーターは低回転型なのでピッチの小さなプロペラでは推進力が得られない
- プロペラピッチが小さいほど高回転型のモーターを使う
- 高回転型モーターほどトルクが小さくなるためプロペラのピッチは小さいものを選択する
プロペラのスペック表記
プロペラのスペック(仕様)は「3040」とか「4×5×4」といった形式で表記されます。
例えば・・・
- 3040なら
- 30はプロペラの直径(3インチ)
- 40はプロペラのピッチ
- 4×5×4
- 最初の4は直径(4インチ)
- 真ん中の5はピッチ
- 最後の4は羽の枚数
参考:プロペラにはこんなにたくさんの種類があります
プロペラはサイズ、羽根の枚数、色、形状等たくさんの種類があります。販売店を少しのぞいてみましょう。鮮やかなものが多く興味津々です。MakerFireのプロペラ売り場
ドローン自作に関することは、「ドローン製作 ベータフライト設定 完全ガイド」でも詳しく解説しています!
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