ドローンって、ただ飛ばすだけではなくFPVを楽しむことが何といっても魅力ですよね!
ゴーグルに映し出された画像を見ながら操縦できるのだから、鳥にでもなった気分を味わえるね。
僕はパイロット視点でレースも楽しんでみたいな~
よし、今回はドローンに搭載されたカメラの画像をFPVゴーグルへ送信するVTXについて説明しよう。
VTXとは
VTXはドローンに搭載されたカメラからの画像をFPV用ゴーグルやモニターへ無線送信するためのパーツです。フライトコントローラーにコネクタで接続、またはハンダにより配線します。
カメラも同様にフライトコントローラーに接続します。フライトコントローラーを介してカメラとVTXがつながります(カメラ本体とVTXが、一体化されている製品もある)。
VTXの送信出力
VTXには送信出力といって、電波をどれだけの強さで飛ばすかという仕様があります。
FPV 用として主に使われている出力は、25mW・100mW・200mW・600mW・800mWなどです。どれだけの出力が出せるかは製品毎に異なります。
そして、送信出力については必ずしも大きな出力が求められる訳ではありません。屋内の狭い所で飛ばすときは25mWのほうが画像の乱れが少なく、適しています。そのため、手のひらサイズのドローンには25mW程度の出力があるVTXを使います。もし、狭い場所で飛ばすときに高出力(800mWなど)の出力にしてしまうと壁面に電波が跳ね返り画像が乱れます。また、レースでは規定で出力が定められている場合もあります。
- 必ずしも大きな出力が求められる訳ではない
- 狭い所なら出力の小さな25mW の方が画像の乱れが少ない
- 屋内で800mWなどの高出力設定で使うと壁面に電波が跳ね返り画像が乱れる
送信出力と電波到達距離
電波の送信距離を2倍にしたい時にはVTXの出力値を4倍以上にする必要があります。したがって、出力強くしても、それに正比例して電波到達距離が延びるわけではありません。例えば300mWから600mWにVTX出力を増しても、電波の到達距離は2倍にはなりません。
障害物など周囲の環境や使用しているアンテナの性能にも左右されますが、条件が良ければ5.8GHz帯の電波は500メートルから1キロメートルの距離まで届くことがあります。
実際に屋外で飛ばす際にどれだけの出力が必要になるのですか?
例えばレース用ドローンでいえば、そもそも1キロメートルなんて飛ばす必要はありません。そのため大会のレギュレーションで使われるような200mW程度が程良い出力なのかなと思います。空き地や河川敷で飛ばす場合でも200mWもあれば時十分です。
5.8GHz帯の電波利用について
FPVでの無線通信は5.8GHz帯の電波を使います。ドローン側のVTXと、操縦者側のFPVゴーグル(またはFPVモニター)間の無線通信には、5.8GHzの帯域が利用されます。
法的な規制
ドローンでFPV飛行を楽しむためにはVTXの無線局開局申請と、アマチュア無線4 級の資格取得を行いましょう。
5.8GHz帯を使った無線通信を行う場合は開局申請が必要です。これは電波法という法律で定められています。VTX自体が移動する無線局ということになりますので、実際に使用するVTXを届出申請しなければなりません。
開局申請に際しては、将来機体を複数台持つことを想定し、それに使うVTXを何種類か決めておければいいでしょう。申請を一度に行えれば省力化できます。
また、無線局開局申請に際しては対象となるVTXの系統図を準備しなければなりません。5.8GHz帯のVTXを使用するためには、そのVTXの系統図を用いて保障登録という手続きを行います(系統図はメーカーや販売店のサイトで入手できると思います)。
それと、アマチュア無線4級の免許も必要だよ。過去問が売られているから、それに何度か目を通せば簡単に合格できるよ。ちなみに僕が使った本はアマゾンで購入しました(初級アマチュア無線予想問題集2021年版: 完全丸暗記)。
- ドローンでFPV飛行を楽しむためには
- 無線局開局申請
- アマチュア無線4級の資格取得
チャンネルとバンド
VTXで利用する周波数帯域は5.8Ghz帯という範囲になります。VTXは5.8Ghz帯の範囲内でドローンからの映像を送信しますが、その際に利用可能な周波数は決められています。この周波数をチャンネルと呼びます。そして、複数チャンネルをグループ化したものがバンドです。
利用可能なチャンネルやバンドは国ごとに異なります。バンドは10 バンド以上あり各バンド内のチャンネルは8つに分けられています。この範囲の中で混信しないように各自が使うチャンネルを別々に設定し飛行を楽しみます。
- 周波数はチャンネルという単位で設定
- 複数チャンネルをグループ化したものがバンド
- 各バンド内のチャンネルは8 つに分けられている
- 国ごとにバンドやチャネルの割り当てがある
- 同時にドローンを飛行させる場合、混信防止のために異なるチャンネルを利用する
- チャンネルやバンドはVTXにて切り替えることが可能
バンドやチャンネルの変更
VTXにてバンドやチャンネルを変更を行うことになりますが、その方法はいくつかあります。VTXの基盤上にあるディップスイッチやプッシュボタンにて変更するタイプや、付属のリモートコントローラーでバンドやチャンネルを変えることのできるタイプもあります。最も使い勝手がいいのはOSD内臓のVTXです。OSDについては別途ブログで詳しいことを説明する予定ですが、簡単に言えばOSD内臓タイプはVTXの設定画面をFPVゴーグルやモニターに映し出し送信機スティックで設定変更が行えます。
ピットモード
VTX出力をゼロに近いレベルに下げる機能がピットモードです。近くで飛行中のドローンとの混信を避けるための機能です。また、ドローンが墜落した際にも出力を下げ、他のドローンの画像が乱れないような配慮もできます。
- PITモードはVTX出力を一時的に抑える機能
- ドローンの電源投入時やチャンネル・バンドの設定変更時、周囲で飛行している他のドローンへの混信を避ける
- PITモードを使わないと、混信により、近くで飛行しているドローンの画像が途絶え墜落させてしまう可能性がある
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